クボタ文具店

 


国際文具紙製品展ISOT 2010の見学記

 

2010年7月7日(水)~9日(金)まで、文具業界の一大イベント、国際文具紙製品展ISOTが、東京ビッグサイトで開催されました。筆記具からノートに至るまで、はたまたこれは文具か?というような物まで様々な新製品が登場している昨今です。閉塞感漂う業界を何とかしようという、メーカーさんの意気込みが感じられる展示会でした。

 

会場入口

今年も初日に行きました。なにやら閑散としていますけど、これは一番端っこの受付だったから。会場は多くの人で賑わっていました。

 

フォーラムアート ハンカチで出来たお祝い袋1

おととしでしたか、これを初めて見たのは。あの時は良く考えたもんだなぁ、と感心していましたが、最近よくメディアで目にするようになりましたね。今回はお祝いだけでなく、仏袋バージョンを展示していました。

 

フォーラムアート ハンカチで出来たお祝い袋2

このように、開くと本当にハンカチになります。お祝い袋は用が済んだら捨てられたしまうのが普通ですが、これなら記念に残しておくことも出来ていいですね。

 

フォーラムアート ハンカチで出来たお祝い袋3

ラインナップも豊富になりました。お祝い事にピッタリの華やかな柄がたくさん用意されているので、個性に合わせて選ぶことができます。

 

SEED ニコケシ

ケシゴムといえば、のシードさんの製品です。高校生からのアイデアを製品化したもので、最近よくある、やりすぎの機能性消しゴムとは違って、「楽しさ」を重視しました。にっこり笑った消しゴムが2個合体します。

 

サンスター文具 リームーバー付きステープラ

いわゆるホッチキスには、お尻に簡易リムーバーがついています。ただこれがあくまで「簡易」。ならばちゃんとした物をくっつけてしまおう!というサンスターさん得意の合体技で出来たのがこれです。スイッチの切り替えで、本格的なリムーバーとして使えます。

 

サンスター文具 シャーピッツ

シャープペンといえば、0.5mm芯。でも鉛筆のような書き味が楽しめる2.0mm芯を使いたい、という人は多いようです。当店でもステッドラーの2.0mm芯シャープペンを扱っていますが、これは安価な樹脂製。でも尾部に簡易芯研機もついていて、充分使えます。昔ペーパーメイトで「シャープレット」というのがありましたが、これはそれに近い品です。

 

サンスター文具 チェンジング暗記シート

もうすっかり定着した暗記グッズ。ゼブラのチェックシートがほぼ定番品ですが、「赤」と「緑」と2種類あります。組み合わせを考えて買わないといけないわけですが、この品は1枚で兼用できます。見る角度で色が変化するので、1ページに2色を使って線を引いて、角度によって見える部分を変えるという使い方も出来ます。

 

サンスター文具 はさむハサミ

持つ部分が他のハサミと違います。研究の結果、T字でも十分保持できることがわかりました。輪になっていないので、今まで指が入りにくかった方、自分の持ちやすい持ち方が出来なかった方にも使っていただけます。T字ハンドルの位置は3箇所にズラせます。

 

マルマン 紙の種類

マルマンさんは、自分の得意なノート、ルーズリーフに注力している会社です。やったことのない分野に手を出すのもチャレンジ精神があっていいですが、得意分野をさらに磨こうという、こういった姿勢はすばらしいと思います。製品によって最適な紙の質、厚さを使用していることを説明した写真です。

 

マルマン ルーズリーフ スイートライン

学生さんが使うことが多いルーズリーフ。かわいい物を使いたいというのが女の子ですよね。この品は、罫線の色がピンク色、パッケージもデコ柄でかわいい感じにしています。製品上部の、メモリもハート型だったりと芸が細かいです。ただ、この品の優れているところは、書きやすい紙もさることながら、中央部に打たれたメモリ。これで短い定規でも縦線が簡単に引けます。女の子用だけじゃもったいないぞ!あとは全罫線にメモリをいれれば、コクヨのドット入り罫線ノートみたいになりますね。是非改良を!

 

ニチバン 直線美

ながらく、テープカッターで切ったセロテープは、切り口がギザギザでした。これがまっすぐにならないものか。。。という考えはかなり前からあって、試作品まで作っていたメーカーを知っていますが、これが意外と難しいらしい。どうやっても長く使っているとノリが刃について切れなくなるんですね。で、セロテープのニチバンはこのようなものを作りました。まっすぐではなく、「まっすぐ風」に切ることで、各メーカーが挑戦し失敗してきた、まっすぐに切るテープカッターができあがりました。

 

メディカルサポート データー1

何かのメディアで目にして、実物を見たいと思っていた製品です。なんだかデジカメみたいな外観ですが、実は名刺入れ。丸いところはボタンです。これは、ボタンを押すことで、名刺に日付を打てる名刺入れなんです。素材はしっかりしたABS-PC製で、樹脂ですけど安っぽさは感じません。

 

メディカルサポート データー2

中を開けたところ。左に名刺を入れておきます。右は印字する部分。カーボンと活字が並んでいて、回して日付を合わせます。左は渡す自分の名刺でもいいですし、もらった名刺を入れてもいい。とにかく名刺を入れてボタンを押すと写真のように印字されます。斜めになっているのがポイントで、名刺の印刷の文字に溶け込まないようにしているんだそうですよ。

 

のぶさま1

最近、「せんとくん」やら「ひこにゃん」やらユルキャラがブームですね。各地特色のあるキャラがあるみたいなんですが、岐阜県は地味で今までそういったものがなかったとか。「地味」って言ったのはブースの係りの人ですからね。私じゃなく。で、地域のいろんな会社が集まってキャラを作って、様々な商品展開をしていくんだそうです。岐阜といえば信長だろ!それで「のぶさま」というわけです。信長+ニホンオオカミなんですって。

 

のぶさま2

いろんな業種が集まってやっているので、文房具だけにとどまりません。ISOTなので、展示されているのは文具が多かったですけどね。なんだか楽しんで作っているなあ、という感じ。もらった名刺の肩書きが「家老」。パンフが「目録」。徹底していますねぇ。カワカッコイイ感じのキャラなので、割とウケるかも。

 

谷川商事 エンボッサー

いまや個性の時代です。マーク一つ押すにもスタンプよりも、この凹凸のあるエンボッサーの方が目立つかも。製品自体は昔からありますけどね。今回コンパクトサイズが出ていましたので、個人で使い方が色々考えられますね。

 

OHTO ロボットメモクリップ

見ての通り、メモクリップがロボット型になっています。商品名もそのまんま。実はこのほかに8種類あって、それぞれ部品が交換できます。オリジナルのロボが作れるってことかな。実用性よりも使って楽しいを重視した製品なんですね。

 

舞花 ま~るい開かずピンちゃん

当店でもとても好評な「開かずピンちゃん」ですが、ついに新型「まーるい開かずピンちゃん」が登場です。少し小さくなって、留め具が丸いボタン型になりました。「開かずピンちゃん」は大きくて邪魔だなぁと思っていた人にはいいですよ。軽いですし。丈夫さは「開かずピンちゃん」のほうが上かな?

 

カモ井加工 マスキングテープ

最近各所で紹介されているカモ井さんが出ていました。マスキングテープがインテリアの装飾に使われていて、話題なんですよね。もう本来のマスキングテープの使い方ではなくなってしまいましたが、それだけに、いろいろな模様のテープがありました。

 

呉竹 生墨

あまりご存じない方もいるかもしれませんが、「墨」と「墨汁」は違います。墨を摺ったものは、実はあまり日持ちせず、腐ってしまうんです。でも手軽に墨を使いたいという要望は多いらしく、呉竹さんががんばって作りました。墨汁のように使える墨です。前回は1種類だったんですが、好評で、3種類に増えました。墨を寝かせる時間が違い、左から右に、増えていきます。

 

カールのパンチ アリシス

これは使いやすいですよ。カールさんが2重テコを使って軽い力で穴を開けられるパンチを作りました。本体のカラーもメタリック調でスゴクかっこいい。見た目の形に表れていない技術がすばらしいと思います。今年の文具大賞のグランプリに輝いた製品です。お見事。

 

墨運堂 ゆび筆ポップコーン

墨、硯、筆など、書道用品にとてもこだわりのある製品を揃えている墨運堂さんが、ちょっと毛色の変わった製品を作っています。それがこの「ゆび筆」。写真のとおり、指にはめて使う筆です。高齢者の方など、筆をうまく持てない方向けに開発されたみたいですが、新しい筆が誕生したといった方がいいんじゃないでしょうか?この筆からどんな新しい作品が世に出て行くのか、楽しみです。

 

トンボ鉛筆 手帳用ボールペン・シャープペン

従来、手帳用のペンというと、カバーと本文の隙間に入れる物がほとんどでした。これだと、どうしても細くて小さいペンになりがちですよね。トンボさんが出しているのは逆転の発想。「書きやすい大きさに作らなきゃ→じゃあ外に出そう」です。それだったら普通のペンでいいようなものですが、このペンは一部が手帳のカーブに沿うように成型されていて、上から見るとマメ型になっています。これで収まりよく、書きやすいペンになりました。

 

レイメイ藤井 ペンカット

当店でも扱っている「ペンカット」。収納時はペン型で、組み替えれば左利きの方にも使っていただけるという良く出来た品です。デザインもいいでしょ?

 

キングジム1

一瞬どこのメーカーか分かりませんでしたが、なんとファイルメーカーのキングジムでした。アロマ&デジタルフォトフレームです。最近、扱う分野を急激に増やしているキングさんですが、ちょっとびっくりしました。

 

キングジム2

これもびっくりした物の一つ。横幅がA4サイズくらいの小ささで、ウイルスをほぼ除去できるという空気清浄機です。ファンもないので、なんの音もしません。このようなオフィス環境に関するラインナップをこれから充実させていくみたいです。

 

キングジム ピットレック1

なんと手のひらサイズのボディながら、名刺のスキャン、取り込み、データ整理、閲覧ができてしまう、便利グッズ。もうそれだけに特化したので、PCとの連携や用紙への出力などは考えられていません。スキャンは写真のように右側のカメラをポップアップして、セットした名刺を撮影します。

 

キングジム ピットレック2

登録したデータは、解像度十分の画面で閲覧できます。検索やメモもできるので、これ1台を持ち歩けば、いつでも簡単に自分の持つ全名刺を見られます。

 

キングジム マメモ

これもポメラや上のピットレック同様、「この機能ができればいい」という、いわゆる「わりきり」製品です。悪い意味ではありません。割り切ったことで、複雑になりがちな電子製品が、扱いやすい便利な製品になっています。このマメモは、液晶画面にメモができるだけのもの。もちろんとったメモは保存できますが、出力やPC連携はありません。お手軽で便利!

 

デザインフィル

いつもオシャレなデザインフィルのブースです。今年は様々なデザイナーが考えた、新しいお祝い袋が展示されていて、投票を募っていました。写真には撮っていませんが、とても面白いアイデアがたくさんあって、楽しめました。もちろん投票してきましたよ。

 

プラチナ萬年筆 ヨーロピアンロココ調のペン

早川式繰出鉛筆など、美しい筆記具をラインナップしているプラチナさんのブースで、ひときわ美しかった品です。特に限定品ではないようですが、このように「持っていることが嬉しい」ペンはいいですね。

 

啓発コーナー

各社、海外での模倣品には頭を悩ませているようで、こんなコーナーがありました。どこが違うのか分からないくらいソックリで、本当に世界各地で見つかっているみたいです。もちろん製品の質は劣る物ですから、メーカーにとってはとても迷惑です。こういったものをなくしていくためには、どうすればいいんでしょうかね。。。

 

というわけで、大盛況の今年のISOTでした。各メーカーが、本当に知恵を絞って、新しい品を作り出しています。この不況の中ですが、何とかしようという意気込みがヒシヒシと伝わってくる雰囲気でした。小売店の私たちも、それ以上にがんばっていかなければ。

 

ページトップへ