2013年の1月9日から10日まで、東京都台東区の柳橋にある、毎度おなじみ共和フォーラムで、年始の新春文紙フェアが開催されました。展示会といえばISOTがメジャーなのだと思いますが、ISOTは主催が文具と関係ない会社がやっていて、大手メーカーも出展を控えるなど、本来の目的を外れてきてしまっているように感じます。だから、私はもうISOTには行かないと思います。ユーザーさんにとっては楽しいのでしょうけどね。文紙フェアは、小さくて昔ながらの展示会ですが、それでも最近とても盛り上がっていて、中身の濃い展示会だと感じます。落ち着いて見ることができたり、じっくり話を聞けたり。営業さんの話し方で、その商品に対するメーカーさんの力の入れ具合も直に感じられます。
オルファ キリヌーク
一枚切りカッターの代名詞だったオルファのウイングに代わって作られた、新世代の一枚切りカッターです。当店でも詳しく説明していますので、どうぞご覧になってみてください。オルファの自信作です。
オルファ キリヌークの説明 (動画もあります)
オート 切り抜きプロ
夏のフェアで先行展示されていた製品です。はさみと一枚切りカッターを使えて、ペン型に収納できる製品です。この2種の組み合せは珍しいですね。本当は普通のカッターを組み合わせたいところですけど、無理ですよね。ボディがちょっとチープですけど、引出しに1本入れておくと便利そうです。
アスカ 閉じ開けきーる
これも複合文具です。やはり前回のフェアで先行展示されていました。形は、いわゆるホッチキスですが、1穴パンチとレターオープナーがついています。もちろんホッチキスも使えます。
Bic ブライトライナー
以前、ゼブラで作っていた、「蛍光イレーステープ」と同じコンセプトの製品です。蛍光ペンと同じようにマーカーとして使えて、いらなくなったら消しゴムできれいに消せる(というか剥がせる)のがすごく便利です。ゼブラの製品は当店でもかなりの人気商品だったので、違うメーカーですけど復活はうれしい!今のところ2色のみの展開です。
日本理化学 ちいさな黒板
日本理化学さんは、とにかく自分の分野、チョークや黒板で新商品を開発することにブレがありません。他のメーカーで、まったく違う製品に手を出すところもありますが、やっぱり本業でがんばってほしいですもんね。これはミニサイズの黒板です。店舗のインテリアや、かわいいので家庭でも使えますね。
東京スライダ オリジナルエクステンダー ツイン
製図用品全般を扱っている会社です。申し訳ないのですが初めて知った会社さんです。製図用品のほか、こんな新製品を展示していました。これは、鉛筆に使う、木軸のエクステンダー(補助軸)です。新しい点は、先端と後端の両方に鉛筆をさせるところ。違う硬度の鉛筆を差しておくと便利そうです。
ステッドラー ナノ三角スケール
当店では「ワークス松下」さんの同様の製品を以前から扱っていますが、ステッドラーから出たナノ三スケです。写真ではちょっと分かりにくいのですが、15cmサイズで、従来の物より格段に細く作られているので、邪魔になりません。アルミ製でメモリはレーザー彫刻です。
さんおいけ 貼ってはがせる月謝袋
そういえば、月謝袋って何度も使うんだよな~って思って作ったんだと思います。通常よりも厚めの紙で出来ていて、表面にはかわいく各月の表示がされています。そしてなにより、フタに貼ってはがせるノリがついているので、ちゃんとふたを閉めて持っていき、また来月使う、ということが繰り返せます。
共栄プラスチック カラーバールーペ
かまぼこ型のルーペですが、中央にラインが引かれています。確かにこれだと読みやすくなって便利ですね。もちろん、一番拡大されるところにラインが引かれていますから、拡大したい部分に合わせるのもやりやすいです。
オリエントエンタプライズ ザイロンシールメーカー
あんまりメジャーじゃないんですけど、実はとても便利なザイロンシールメーカー。普通にプリントした紙や紙片を器械に通すと、裏にノリがついてシールになる、という製品です。従来品は、小さなものにしか対応してませんでしたが、今回は新製品で大きなサイズに対応しました。
OHTO ミニモボールペン
前回のフェアではシャープペンだけだったミニモですが、今回ボールペンが加わりました。実はノック式のボールペンを細くするのは難しいんです。ノック機構や芯の太さなど、制約が多いですからね。特に芯は、インクの入っている部分の太さは変えられないので大変。それでもこの細さにしたのはすばらしい。
アピカ レインガードノート
アピカさんもノートでがんばってますね。これは耐水紙?とにかく水をはじく紙で作られているノートです。雨でも使えるノートって、意外と使い道が多いんですよ。
アピカ CDノート
最近各所で話題のCDノート。いまだに良い売れ行きだそうです。今年からウチも仕入れやすくなったので助かります。ページ数が多く、紙質にもこだわって作られた、ノート屋さんの渾身の一品です。
馬印 ショットノートのボード
キングジムのショットノート。メモ帳に留まらず、いろんな分野に広がっていますが、黒板屋さんの馬印さんは、ホワイトボードにショット機能を付けてしまいました。皆でアイデアを出し合ったあとに1枚撮っておけば、記録として残しておけますね。これはイイかも。だいたい会議などでのこういったものは残らないですもんね。プリントできるホワイトボードもありますが、高いし、あってもあまり使われていないみたいだし。これなら手軽。
サンケーキコム 画鋲
きれいな画鋲でしょ?事務的な金色の画鋲と違って、掲示物も華やかになります。問題は、既に安売り店で、おそらく別のメーカーの同様のものが出てきちゃったことです。そうなるとこれを売りたい定価販売の販売店は困っちゃう。
共栄プラスチック株式会社 方眼定規
今までも確かあったと思いましたが、ゼロスタートは初めてじゃないでしょうか。メモリが縦型になっている定規です。物の高さを測る時に非常に便利です。定規の端が「0」のゼロスタートメモリなので、読み取りも簡単。
北星鉛筆 大人の鉛筆に、タッチペン
大人の鉛筆が好評の北星さん。今回新製品として、タッチペンを大人の鉛筆のお尻に付けました。これで書きながらスマホの操作もできる、とうことなんでしょうが...ノックの時にタッチ部分を押さなきゃならないし、今回のはフェルト製みたいなので、耐久力も心配です。なにより、それこそとってつけたような外観がちょっとなぁ、と思いました。
アルテ ハッポーカッター
こういうのは「イレパネ」「ハレパネ」のアルテさんならではの品ですよね。電池で使える発泡ボードカッターです。電池による熱でボードを溶かしながら切っていくものです。カッターと違うのは、滑らかに、なおかつ曲線がきれいに切れること。でもまっすぐビシッと切るのは不得意ですね。適材適所で使いましょう。
ベロス スプリングゼム
いままで、ゼムクリップなどのいわゆるクリップは、いろいろな新製品が出てきては消えていきました。「Wクリップ」「ゼムクリップ」「目玉クリップ」の確立されたブランドに勝つのは容易ではないんですよね。で、ベロスさんが新たに作ったのが、50枚はさめるスプリングゼム。本来ゼムは多い枚数を挟めない構造で、はさんでも変形してしまいました。そこで材質、巻き方を根本的に変えて、変形しない、50枚を挟めるものができたということです。欠点はデカくなっちゃったこと。でもまあ許容範囲ですね。
ベロス ワイヤーWクリップ
ベロスさんのもう一つの新製品です。形はWクリップですが、今まで黒い板状だった部分が、ワイヤーで構成されています。こうすることで、はさんだ時に今までは黒い部分で隠れてしまっていたところが見えるようになりました。たったこれだけの事、という気がしますが、とんでもない!黒い部分だった所はバネを担当していた部分なので、それをワイヤーでやるのは大変な苦労があったみたい。
ベロス 画鋲抜き
以前から、ベロスさんはペットボトル入りの画鋲やクリップを販売しています。おそらくそれとの連動も考えてだと思いますが、画鋲はずし器にアダプターを付けて、直接ペットボトルに接続できるようにした製品を作りました。一気に大量の画鋲をはずす時には大変便利ですね。選挙あとなどに売れそうです。
オルファ ポキステーション
最近、ちょっとびっくりしたのが、カッターの刃を折って使うことを知らない方がいたこと。若い方だったのですが、こちらが当たり前と思って油断していると、そういったことが伝わらなくなるんですね。これはそういった啓発にも役立ちます。今まで刃を折る時は、替え刃のケースについている折機で折っていたと思いますが、やっぱり折りにくい。このポキステーションは、写真のようにカッターを差し込んで、赤丸部分のレバーを爪切りの要領で押せば、軽い力で本当に簡単に折ることができます。折った刃は、本体に収納されます。ホント簡単。問題はデカイことと、折った刃を捨てる時に危ないな、ということかな。
セメダイン BBX
これ、ちょっと変わった接着剤ですよ。貼ってはがせる接着剤という、ちょっと聞いただけでは理解不能の製品です。でもこれがすごく便利。まず、付けた時はしっかりとくっついてくれます。はがしたいときはきれいにはがれてくれます。今までたくさんあった、掲示物を固定するテープ、粘着式の留め具よりもはがれ方が優れているので、ガラスにポスターを貼る時に重宝しそうです。ノリ跡も残らないので、はがした後がきれいなのもポイント。
坪川毛筆刷毛製作所 月の浦筆ISHIN
恥ずかしながら、初めて知った会社さんです。今回の新製品は、児童用の左の青い筆。特徴が2つあります。まず1つめは、筆先が短くなっていること。従来の小筆は右のように全部「おろして」しまうとかなり太くかけることになり、調節が子供には難しい物でした。ISHINは、筆先の半分くらいまでプラで覆ってしまったので、児童たちが使うであろう太さの字が書けるようになっています。もう1つは軸が鉛筆と同じ六角形になっていること。使い慣れた鉛筆と同じように持てばいいので、児童たちが使いやすいということらしいです。
なんとかしなきゃ!そういった気概が感じられる活気のある展示会でした。この不景気のなか、めげることなく新製品を考え出しているメーカーさんには頭が下がります。今までもたくさんの新製品が生まれ、そのうちのいくつかはヒット商品になってきています。今回もそういったたくさんの新製品がありました。まぁ中にはトンデモな製品もあるにはありましたが.....でもやってみなけりゃ分かりませんからね。これからもメーカーさんにはチャレンジ精神を忘れずに頑張ってほしいです。小売りの私たちも、せっかく作ってもらった新製品を無駄にすることなくがんばりますから!