2010年の1月7日から8日まで、東京都台東区の柳橋にある、毎度おなじみ共和会館で、文紙フェアが開催されました。ISOTのような巨大な展示会とは違って、一般の方は入れない、東京の東地区対象ということで、コンパクトな展示会です。とはいっても小さいからとバカにはできません。むしろISOTなんかよりもメーカーさんとの距離が近く、ゆっくり話が出来るので、良い部分の方が多いです。今回の参加メーカー総勢41社。全部写真を撮れたわけではないんですけど、いくつかご紹介します。
ライオン事務機 ペケピタ
BICと言えば、おなじみのオレンジビックですね。もう長い間デザインが変わらないので、すっかり世間に知られた存在になっています。しかし、そのボディゆえ、安っぽいのも事実。ま、実際安いんですが。で、そこを何とかカバーして、気持ちよく使ってもらおうと考え出されたのが、このホルダーです。なんとオレンジビックを丸ごと中に収納してしまおうという発想で、外からはオレンジはまったく見えなくなり、純粋に「芯」としての役割を担うことになります。ホルダーのボディはアルミ製で軽く、上質なデザインになっています。「ビックは好きなんだけど、細くて安っぽい所がどうも。。」と言う方にいかがでしょう。
テージー 平成コインアルバム
全く知らなかったんですが、今、各県でご当地コインみたいなものを発行しているらしいです。その名も「地方自治施行60周年記念貨幣」。この商品は、そのコインをきれいにコレクションできるアルバムです。コインをはめる部分に県の形が印刷されていて、未収集の県が分かるようになっています。まだ全部の県が発行されているわけではないので、手に入れるたびにこれに嵌め込んでいく、というのも楽しいですね。コレクション魂を揺さぶります。さすが切手アルバムやコインアルバムなど、コレクション用のアルバムを長年扱っているテージーさんです。わかってらっしゃる。
株式会社 赤城 入学祝
お祝い袋、多当の大手メーカー赤城さんです。伝統的な礼儀に使われるものを作っているので、ともすれば製品がずっと変わらない、なんてことになりがち。しかし近年はこういったものの趣味も多様化し、一昔前では考えられなかったお祝い袋が発売されています。この品は入学祝用なのですが、ただの袋じゃありません。中央部に本革製のミニランドセルがついています。なんとこれがキーホルダーになっています。100円が5枚くらい入るそうですので、もしもの時のバス代や電車代として持たせておくのもいいかもです。
カクケイ株式会社 祝儀袋
こちらは愛媛県のカクケイさんです。やはり祝儀袋を華やかにアレンジしています。立体的な飾りがついていたり、きれいな模様がついていたり、既成概念にとらわれない製品ばかりです。この品でお祝いを贈れば、嬉しさ倍増!贈る人の気持ちも伝わりますし、なにより華やかさがアップしますよね。
株式会社さん・おいけ 和綴じ帳
京都で水引を中心に作っている「さん・おいけ」さんです。今回、水引以外の製品を企画して出品していました。とはいっても、本業の水引を何かの形で使用した製品でしたね。写真は水引を綴じ紐に使った和帳です。表紙の加工にも本業の技術が反映されていて、良い風合いを出しています。最近はこのような和帳を使うことも少なくなりましたが、ちょっとした工夫で使ってみたい製品になりますね。お祝いの会の芳名帳なんかにピッタリではないでしょうか。
株式会社あかしや
あかしやさんの筆のパッケージです。なるほど、と思ったので撮らせてもらいました。従来、筆に書かれているのは製品名、号数くらいなんですが、これは筆になじみが薄くなってしまった現在、分かりにくく、商品を選ぶときにとても困ります。このように細かく表示してくれると選ぶ目安になってとても助かりますよね。ちょっとした工夫ですけど、とても親切な気遣いだと思います。
ベロス株式会社
和文具が続いたので、インパクトある商品で転換を。何に使ったらいいか悩みますけど、とにかくドでかい木の洗濯ばさみです。こういうの、あとでしまう場所に困るくせに妙に欲しくなるから不思議です。ちゃんと開閉してはさめるので、とにかく何かには使えます。
これだけじゃベロスさんに悪いので、こちらもご紹介。どこにでも付くホワイトボードです。マグネット式のものでしたら従来から作られていましたが、これは吸着式。つまりは磁石が付かないところでも貼り付けられるということです。そして軽い!
北星鉛筆 もくねんさん
昨年のレポートでもご紹介しましたが、北星鉛筆さんの「もくねんさん」です。こんなにすばらしい作品が展示されていたので、思わず激写しちゃいました。この粘土は鉛筆の製造過程で出るオガクズを原料に使っていて、乾くと本当に「木」そのまんまになる不思議な品です。廃材を使っているのでエコな製品ですね。
プラチナ萬年筆 肥後象嵌万年筆
当店でも早川式繰出鉛筆が大変好評なプラチナさん。限定品にとても力を入れていて、今度はこれ!ペンの胴部に肥後象嵌をはめ込んだ万年筆です。プラチナさんの限定品は、通常の生産ラインには絶対乗せられないだろうという、本当の意味での限定品です。よくある、色が違うだけの「限定カラー」とか、組み合わせただけの「限定セット」とは全く違います。本当に価値のある限定品を出し続けるのは大変だと思いますが、がんばって欲しいです。通常の製品でも万年筆の普及を目指して200円のエントリーモデルを作ったり、様々な企画を出し続けている会社です。
アピカ株式会社 新商品
3月発売予定の商品ということで、ボカシをかけさせていただきました。でも、これは是非ご紹介したかった!企画段階から新しい手法を使い、とにかくやってみよう、と始める製品群のうちのひとつです。アピカさん、がんばってます。熱いです。
で、写真の品は、もしかしたらそこそこヒットするんじゃないか、と思われる、今までにないメモ、というかノートパッド。うぅ~。ボカシを取って見せちゃいたいくらい!ヒントは手の位置!
サンビー株式会社 マーキングペンシル
最近はマークシート式のものが増えました。試験もそうですし、写真にあるようにナンバーズなんかもそう。これがシャープペンのような0.5mmの芯では塗りにくいんですね。だから鉛筆を使うことになるわけですが、こいつは削るのに時間が掛かる。試験なんかは時間が貴重ですから致命的です。思い起こせば、私も鉛筆を何本も試験会場に持っていきましたね。この品は芯が角型になっていて、通常の丸芯よりも格段にマークを塗りやすくなっています。しかもシャープ式ですから削らなくていいです。なぜハンコのサンビーさんからなのかが不思議ですけど。
オート株式会社 チョークホルダー
オートの営業さんってすごく熱心で、商品を丁寧に一通り説明してくれます。とにかくペンの品数が多くて、しかもある程度価格を統一しています。ここもチャレンジ精神旺盛で、思いついたら即製品化!のような雰囲気があります。せっかく思いついたものですから、資金が許せば世に問うてみるというのはいいことだと思います。といっておきながら、私が撮ったのはペンでもなんでもなくチョークホルダー。ノック式のホルダーは今でもありますが、これはアルミ製のおかげでとても軽いんです。教師の方はずっとチョークホルダーを持ちっぱなしですから、できるだけ軽い方がいいでしょうからね。
今回、とても嬉しくなって帰ることが出来ました。この不況下、しかもそんなに右肩上がりでない業界の展示会です。みんなある程度しょぼくれていても仕方ないかな、と思って行ったのですが、ところがどっこい!各社の元気なことといったら!不況だからこそ、負けじと新製品の開発をし、新しい分野に踏み出し、大変熱のこもった展示会でした。がんばるメーカーさん達をみて、私たち小売店もがんばらなきゃ!と思いました。こういう雰囲気を味わえるのも、メーカーさんとの距離が近い文紙フェアならではだと思います。昔ながらの展示会といってはそれまでですが、大変好感の持てるフェアでした。