ベネッセコーポレーション様のチャレンジ3年生
わくわく発見BOOK特集
「ギヤのマジックパワー」に協力させて頂きました
2020年2月号、2022年2月号
手動の鉛筆削りは、まず簡単にいうと、
ハンドルを回すと、鉛筆を削る「刃」が鉛筆の周りを自分も回りながら周り、鉛筆を削る。
というものです。では、どんな仕組みになっているのでしょうか。
なんだか工業的な言葉ですが、 「遊星ギア(ゆうせいぎあ)」または「遊星歯車(ゆうせいはぐるま)」という仕組みを使って鉛筆を削っています。
「遊星ギア」とは、一つの歯車が、もう一つの歯車の周りを、自分も回りながら回るものを言います。太陽と、その周りを自転しながら公転する地球とのような関係と言えば分かりやすいでしょうか。身近な物では、自動車のオートマチックトランスミッションに使われています。
別のメーカー製でも同じような構造です
上の写真の白いプラスチックの内側にギザギザがついている物が「大きい歯車」です。ふつうの歯車とは形が違う、「内歯歯車(うちばはぐるま)」という種類です。
そして、「小さい歯車」が見えるでしょうか。「小さい歯車」にくっついている、細長い斜めのミゾがついている金属が、鉛筆を削る「刃」です。
「小さい歯車」が回ると、この「刃」も一緒に回って、鉛筆を削ります。ただ、同じ位置で回っていては、鉛筆の同じ部分しか削れません。そこで、「大きい歯車」の出番です。「小さい歯車」が「大きい歯車」の内側をグルッと周るように回転することで、「刃」も鉛筆の周りをグルッと回転して、まるく削ることが出来ます。
※この「小さい歯車」が、台形で、「かさ」のような形をしている手動鉛筆削りもあります。この形をしていても、説明と同じはたらきをしています。また、写真で「刃」が斜めになっているのは、斜めでないと鉛筆をとがらせることができないからです。
片手でボディを押さえてハンドルを回すのが一般的ですが、たいていの商品には机に固定するための「クランプ」という器具がついていますから、これを使えば、ボディを押さえなくても削ることができますよ。
模式図